Takacharming harmony

『TrySailのTRYangle harmony』セカンドショット:毎週火曜22:00~22:30 超!A&G+:毎週火曜21:00~21:30 リピート:毎週水曜9:00~9:30&毎週土曜8:00~8:30!略称:トラハモ

新卒で始めた土木工事の現場監督を辞めた

2019年2月某日を以て新卒で入社した会社を約2年で退職しました。

 

 

仕事的にはニッチな専門分野で特定されてしまうので土木工事の現場監督をやっていた程度でしか書けないです。

 


仕事をしていく上での専門知識はもちろん基礎知識も全くなく研修もままならないような状態で現場に出され、間も無くして1人で現場を任されるようになりました。

研修中に小型移動式クレーン玉掛*1の資格を取ったので、僕はよく道路に走ってる4tユニック*2と呼ばれる重機を扱うことができます。

他には第二種酸素欠乏作業(酸欠+硫化水素)において作業主任者になれたり、ガス切断やアーク溶接がやれます。今となっては無意味なもので、なりたくない自分にさせられたような感覚です。

正直なところその程度では「何もできねえよ!」という感じですが、仕事を現場の所長や職人さんに教えてもらったり、会社に電話したりと、手探りで管理をしていきました。

現場監督だからといって見てるだけではなく1人の作業員として施工に関わる姿勢を見せることで経験数の少なさをカバーしていきました。

幸いにも会社側の配慮がある程度はあったからなのか在職中で数現場はこなせたので「現場ガチャ」で大きなハズレは引かなかったのかなと思います。

 


この仕事をしていく上でクリアしていかなければならないことは現場のトラブル対処です。

トラブルが発生すると、工期が延伸して予定が狂ったり、ひどい時には大きな損害があります。

トラブルというのは具体的に、施工不良による工事のやり直しが多いです。

土木は自然を相手にしている上に、特に僕がやっていた分野は目で見えない部分の世界だったので予期せぬトラブルが起こりやすいです。

他にも監督として現場での人間関係を良好に保ちそういった面でのトラブルを起きないようにしなければなりません。そこに近隣住民の方が加わってくるようなこともあります。

かなり運も絡みギャンブル性が高く堅実に仕事していこうという気持ちになれなかったです。

 


現場監督という肩書き上は経験年数が少なくても責任者、自分だけのせいではないにしても、社会に出たばかりの人間、少なくとも僕には精神的な負担が大きかったです。

会社が守ってくれるので全責任を1人で負わなければならないということはないにしても、負い目を感じて損害分を取り返さなければならないという強迫観念みたいなものが生まれます。

僕も何度か会社に損害を与えるトラブルを起こしました。

気付いたら会社の飼い犬になっている感覚でした。

考えてみれば「回避不可のトラブルの責任を押し付けられて負い目を感じさせる」そういう構造だったのかなと思います。

 


そしてもう1つ、僕の土木分野は工事現場が全国にあるため現場監督は全国を転々とする長期出張が繰り返される生活が強いられます。

2年間で、北から岩手、宮城、千葉、群馬、埼玉、愛知、岐阜と拠点を移動してヤドカリのような生活をしていました。

僕はもともと「旅行」で色んな土地に行くことが好きだったので最初は大きな負担とは感じなかったです。

例えば、宮城出張の時は週に2回くらいラーメン二郎仙台店*3に行ったりと楽しかったこともあります。

しかし、「旅行」と「居住」は全く違います。

地に足がつかない生活を続けていく不安はやったことのある人しかわからないと思うのでここでは割愛します。

 


それに僕はアイドルオタクでいわゆるアイドルの追っかけです。

出張地域が都市部など関東圏だったら問題ないのですが、それ以外だとどうしようもなくなって息の抜き方がわからなくなります。

2019年現在では基本的に工事現場は日曜しか休みがないという問題を抱えていて、この休みの少なさではアイドルを追いかけるのは難しいです。

しかし、都市部など関東圏に出張していればさほどの問題はありませんでした。

土木工事は基本的に公共工事で道路規制だとか近隣住民の配慮で残業ができないことがほとんどで定時で帰れました。また、僕がやっていたのは大きな工事の中の専門技術が必要な部分を担当するような形だったので、特別多くの書類管理等があったわけではなく残業らしい残業はほとんどなかったです。

時には1日のノルマが達成すれば定時よりも早く帰れるなんて状況を作り出すことも可能でした。

なので、関東圏に出張へ行ってた時は退勤即アイドルなんてことが多かったです。

 


前述の通り仕事を続けてきて辛いことだけではなく楽しいこともありました。

しかし、会社の飼い犬になってるような感覚、関東圏以外に出張へ行ってしまった時の息の抜き方のわからなさ、そういった面が楽しいことを上回って退職を決意することになりました。

 

 

もし、今から建設業界で働こうとしてる人や全国出張で地に足のつかないような仕事をする人がこの記事を読んでいたらもう一度よく考え直してそれ相応の覚悟を持ってください。僕みたいに早期退職することになるかもしれません。

ちなみにこの会社は僕が入社時の過去5年で入った新卒離職率は100%でした。

 


しかしこの2年間、仕事を続けられたのは僕に好きなアイドル*4がいたからです。

その存在に励まされ心の支えとなったことを感謝しています。